HOME   >  活動記録   >  植樹ツアー

植樹ツアー

植樹ツアーについて

 私たちのNPO団体では、2004年から陝西省内の5地域で植樹協力活動に取り組んでおり、2005年からは、日中緑化交流基金の支援を受け、黄土高原の環境改善を図ることを目的に、渭南市富平県及び淳化県、咸陽市三原県で活動を行ってきました。現在は淳化県で文冠果の植樹に協力しており、4年目を迎えています。
 当初は、中国側の制度や体制がわからず、日本と中国との手法にギャップを感じながら手探りで進めていたプロジェクトでしたが、年月を重ねるとともに少しずつ様子がわかるようになり、中国側の手法を理解しつつ、日本のきめ細やかさを示しながら、カウンターパートと協力して活動を進め、毎年、現地へ確認と指導に訪れ、短い時間ではありますが、交流と意見交換の場を持ち信頼頼関係を築いてきました。また、陝西省林業庁の国際プロジェクトのセクションにも大変お世話になり、候補地の選定や樹種選定等の助言をいただきながらプロジェクトを進めています。
 黄土高原は雨量が少なく気象条の厳しい地域で、日本の植樹技術と共通するところもある反面、干害による枯損を防ぐための樹種選定や植栽方法、植栽後の管理が大切であり、カウンターパートの力量が問われるところです。
 植樹協力事業は、植えたら終わりというものではなく、緑が大地に根付くことが最終目的であり、終了したプロジェクトについても定期的に確認に行き、カウンターパートへ指導助言を行っています。私たちが10年を超える活動を行うことができたのは、基金からの支援はもちろんのこと、カウンターパートをはじめ多くの中国の方々の協力と理解によるものです。
 さらに、日本側と中国側の調整役を担ってくれた「呉衛」さんという中国人スタッフに負うところが大きいと思っています。彼の「日中の架け橋となり、中国の環境を良くしたい」という熱意と信念がなければ、途中で頓挫していたかもしれません。その彼が10月半ばに45歳という若さで亡くなり、私たちの団体としては大きな柱を失ったところです。
 私たちが活動を始めた頃と今とでは、中国の経済力は遙かに大きなものとなりましたが、それでも農村部の暮らしは、まだまだ厳しいものがあるように感じます。彼の思いを引き継ぐとともに、中国の環境改善と農村に住む人々の生活向上に少しでも協力ができればという思いで、これからも活動を続けたいと考えています。(2017年6月)

中国黄土高原での植樹活動の歴史

 小さな苗木に想いをこめて 私たちは中国黄土高原に木を植えてきました。 私たちのNPOは、2004年から2014年までに日本から陝西省の現地へ11回の植樹ツアーを実施し、日本のボランティアだけでなくカウンターパートナーの陝西省林業局や合作社、農民、小中学生、共青団、大学生と一緒になって植樹をしてきました。植樹ツアーでは、植え穴掘りの大変さや小さな苗木に無事育ってくれよと祈る想いを大人から子どもまで共有することができました。また、植樹地の村にある小学校や中学校を訪問し、植樹や環境保全の大切さを啓発してきました。 荒れ地や荒れ山の広がる黄土高原において、ツアーで植えた木はわずかばかりですが、ツアーに参加した人たち、訪問した学校の子どもたちや先生とも環境を保全する心をつなげることができたのではないかと思います。 植樹ツアーで木を植えたところは、日中緑化交流基金などの助成を受けた事業地の一角に当たります。事業地にも郷土樹種であるポプラ、コノテガシワ、カキ、サンシュ、クルミ、ブンカンカを植え、厳しい環境でも枯れずに育っているかどうかを調査してきました。乾燥に負けて枯れたものもありましたが、補植や灌水で何とかしのげたようです。こうしたカウンターパートナーの努力もあって、概ね生育は良好でした。 これまでの活動の記録と植樹の育成状況調査の様子はこちらをご覧ください。
活動記録・生育状況調査 2004~2012

第13回 西安植樹ツアーの概要

日 程 2016年8月26日~31日
場 所 陝西省咸陽市淳化県
参加者 3名(田中、水田、林)
活動内容

8/26(金)
・中国植樹協力の淳化県プロジェクトが6年目を迎え今年度で終了するため、まず、次期候補地である咸阳市乾県を訪問しました。

8/27(土)

・黄土高原の耕作放棄地などの荒れ地を調査しました。案内は乾県林業工作ステーション、通訳はいつもの呉さんです。少し体調が心配です。

・カウンターパートを予定する乾県林業工作ステーションの造林実績地を2カ所調査しました。刺槐(ハリエンジュ)は成長が悪いようですが、油松は成長が良かったです。

・夕方に淳化県ホテルで龍谷大ゼミ一行と合流しました。

8/28(日)

・咸阳市淳化県寧げん村に建立した植樹記念碑前で学生たちと全員集合し記念撮影をしました。そばでは、生態移民の宅地造成工事が始まっていました。学生による記念植樹準備中に中に、昨年度基金事業実績地である淳化県漢塞村2,3,4小班の植樹地を調査しました。補植地は、一部枯れているところがありました。

・次に、咸陽市淳化県山里村14,15小班の荒れ地を調査しました。今年度の基金事業の申請地で、2016年秋から植林を実施する予定です。

・昨年度から基金事業を実施中である淳化県山里村12,13小班の植樹地も調査しました。枯れているところも多くありました。

・いずれも案内は合作社・文勇、寧げん村組長、通訳は呉さん。干害で枯れたところはすべて自力で補植をする予定とのことです。

8/29(月) 

・陝西省林業庁で国際合作プロジェクト管理センター温主任と当NPOの植樹協力について打合せをしました。次期候補地として乾県の推薦がありました。

8/30,31

・西安から青島へ移動し、一泊して帰国しました。青島滞在はお勧めです。

第12回 西安植樹ツアーの概要

1.日程 2015年9月7日~13日
2.場 所 陝西省咸陽市淳化県
3.参加者 4名

4.活動内容
ブンカンカの植樹状況視察、ブンカンカのサロン見学、沸平自然保護区視察、漢中諸葛孔明の墓見学など。

第11回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2014年10月30日~11月3日
2.場 所 陝西省咸陽市淳化県
3.参加者 6名

4.活動内容
ブンカンカの植樹を行う。記念植樹、記念碑除幕、植樹状況視察、工場見学など。

第10回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2013年11月2日~6日
2.場 所 陝西省咸陽市淳化県
3.参加者 5名

4.活動内容
ブンカンカ209,550本、127haの植樹を行う。

第9回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2012年11月1日~6日
2.場 所 陝西省西安市長安区、渭南市富平県、咸陽市三原県、淳化県
3.参加者 11名
4.活動内容
ブンカンカ275,500本、200haの植樹を行う。NPO設立10周年記念植樹ツアーとして、過去の植樹地を訪問するとともに、記念植樹を実施。森林の育成状況を視察し交流を深めた。

第8回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2011年11月2日~6日
2.場 所 陝西省咸陽市淳化県
3.参加者 9名

4.活動内容
ブンカンカ330,000本、142.0ha の植樹を行う

第7回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2009年10月30日~11月4日
2.場 所 陝西省咸陽市三原県
3.参加者 7名

4.活動内容
サンショ142,575本、50.0ha の植樹を行うとともに馬額鎮中学校において、環境学習の交流を行う。

第6回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2008年10月31日~11月5日
2.場 所 陝西省渭南市富平県
3.参加者 9名(龍谷大学ボランティアNPO活動推進センター海外体験学習プログラム学生4名、NPO5名)

4.活動内容
日中青年でポプラの記念植樹を行うとともに、西北法政大学と龍谷大学との交流会2008富平県2を実施。この事業は、外務省から「日中青少年交流年友好交流年」事業に認定される。11月1日、日中青少年交流年友好交流年記念式典と呂村中学において、環境学習の交流を行う。

第5回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2007年11月2日~6日
2.場 所 陝西省渭南市富平県
3.参加者 14名(龍谷大学ボランティアNPO活動推進センター、海外体験学習プログラム学生8名、NPO6名
4.活動内容 
女貞(トウネズミモチ)2007富平県233.0ha 87,160本植樹。この事業は、2007「日中文化・スポーツ交流年」実行委員会により認定事業として認定される。

第4回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2006113日~7
2.場 所 陝西省渭南市富平県
3.参加者 9
4.活動内容
地元住民とともに記念植樹を行う。現地検査、帳簿検査を行った。また、後来年度の植樹協力について協議。
樹種:コノテガシワ、ビャクシン(中国名:蜀2006富平県3学校桧)、柿、ポプラ59.6ha 97,473本植樹。現地小学校を訪問し、環境学習を行った。

第3回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2005年9月10日~14日
2.場 所 陝西省渭南市富平県 、周至県黒河ダム
3.参加者 8名
4.活動内容
1)富平県 地元住民とともに記念植樹を行う。今年度の植樹予定地3か所を詳 細調査。また、帳簿を検査した。その後、助成金の一部を交付するとともに、来年度の植樹協力について協議した。
樹種:コノテガシワ、ビャクシン(中国名:蜀桧)、柿。現地の小学校を訪問。記念品として色鉛筆を贈呈した。
2)黒河ダム
今年3月に植樹協力した箇所の状況を確認し、今後の管理方法等について協議を行った。

第2回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2005年3月11日~15日
2.場 所 陝西省西安市長安区、周至県黒河ダム、渭南市富平県
3.参加者 8名
4.活動内容
1)長安区
昨年NPOで植樹した長安区の木の生育状況を調査。ポプラは順調に成長していたがコノテガシワはほとんど枯れていた。
2)黒河ダム
ダム湖岸で現地のダム管理所の人、西北農林科技大学の学生ら数十人とともにポプラの植樹を行う。4月15日まで現地で植樹を継続。
樹種:ポプラ、油松、ニセアカシア
植樹前日の夜の交流会では、覚書に調印、イオン環境財団と緑の募金交付金計261万円を交付。また、京都市長のメッセージを紹介。
3)富平県
植樹予定地3か所を詳細調査。その後、今年度の植樹協力について協議した。特に、苗木代が高すぎるので改善を申し入れ、合意。準備経費として日中緑化交流基金の80万円を交付。植樹は春に集中的に現地で実施。秋は訪中し記念植樹を行う。
樹種:コノテガシワ、ビャクシン、柿。
小学校訪問:現地の模範小学校を訪問。記念品として色鉛筆を贈呈。

第1回 西安植樹ツアーの概要

1.日 程 2004年3月17日~21日
2.場 所 陝西省西安市長安区五台郷高河東岸
3.参加者 7名

4.活動内容
3月18日に西安市長安区河東岸の33haにおいて中国側参加者(現地住民等)約40名により植樹活動を行った。苗木はポプラ(樹高3.5m)、コノテガシワ。植樹のための作業道は既に中国側において敷設し植樹作業も9割完成していたため、残りの苗木を日中双方で植えた。作業後、記念碑の序幕を行った。テレビ、新聞の取材を受けるなど現地の関心の高さをうかがわせるものであった。今回、植樹活動に参加したボランティアからは、微力ながら自然環境保全に貢献でき大変満足している。日中友好に貢献できうれしい。環境を守ることの大切さを改めて再認識した。などの感想が寄せられた。

関連情報

私たちのNPOは中国をはじめとした東アジア地域の環境問題に取り組むため、2004年に設立し、現在は、京都とゆかりの深い陝西省での植樹協力を中心に活動しています。 植樹協力地へは、毎年、植樹ツアーを企画し、会員以外の方にも広く呼びかけ、記念植樹と現地確認を行っています。 今後は、単に植樹だけでなく、周辺の自然環境や史跡の保全にも関心を持つとともに、現地住民の皆さんとの交流にも力を入れたいと思っています。 また、中国以外にも、東アジア諸国の環境問題に広く関心を持ち、環境改善のためのさまざまな実践活動に取り組みたいと考えています。 興味のある方はご参加ください。

主な活動地域
2004年には、西安市南郊外の長安区で、2005年には西安市から西南約70kmの秦嶺山脈にある黒河ダムで、また、2005年からは3か年をかけて西安市北約50kmの黄土に位置する渭南市富平県で、さらに2011年からは咸陽市淳化県で、ブンカンカの植樹協力を行っています。

長安区)
河川の氾濫による水害の防備と水源涵養を目的に、河岸にポプラを植栽しました。

黒河ダム)
西安市の飲料水の8割を供給しており、住民の生活と事業活動に不可欠なものであり、 水源涵養と水質保全を目的にダム湖周辺の荒れ山に植樹を行いました。また、ダムの近くには国家一級動物のキンシコウや嶺牛などが生息する保護区があり、 植樹により生物多様性の保全にも貢献しています。

富平県)
年間降水量が約530mmと少ない地域で、長年の放牧や開墾のため樹木が失われています。そのため、降雨による水土流出を防ぐため、急崖地の斜面にコノテガシワ等の緑化木を植栽する他、農地には地域の特産品である柿の木を植え、農民の生活にも資することとしています。

淳化県)
淳化県は農業地帯で、長年にわたる森林伐採や農地開発により森林率は低く黄河中流域の水土流失県の一つに該当し、農地は痩せた土壌となり、干害などの自然災害で農作物の収量が少なくなるなど地域農民の生活を脅かしています。 このような状況のなかで、林権制度改革が進められ水資源や森林、緑化に対する住民意識が高まっており、淳化県寧塬村では地域農民による植林活動が始まっています。これらの植林活動を支援するため、淳化官山林業専業合作社と共同し、展示効果が高い県東部の嵯峨山西面の黄土丘陵において水土保全林の造成を行い森林の再生を目指すとともに、農民等地域住民に緑化の重要性を啓発していくこととしています。淳化県で植樹するブンカンカは中国固有の植物で乾燥に強く、中国では乾燥地の緑化樹として使われています。果実は油分が豊富で食用に使われるほか、葉は乾燥させて健康茶として飲用されます。

お問い合わせ